【生産管理の仕組み②】中小企業若手社員向けビジネススキル/生産方式(受注生産・仕込生産)と生産形態

ビジネススキル

生産方式(受注生産・仕込生産)

 製品の生産方式には大きく2つの分類に分かれます。受注生産仕込生産(見込生産)です。

受注生産

 受注生産とは客先より注文書もしくは内示等をいただき、客先の要求仕様に合わせ生産を行います。基本的には在庫を保有していない為、部材調達を行い加工となります。受注後の製造スタートとなる為、仕込生産品より製造リードタイムにが必要になります。

仕込生産(見込生産)

 仕込生産とは需要予測に基づき、生産計画を立案し自社の倉庫や販売店などの倉庫に在庫を持ちます。それぞれの製品の製造リードタイムや需要予測から完成日と仕込数を決定します。実際の工場では仕込生産の製品をバッファーにする事で短納期での受注生産品に対応をしたり、各工程の負荷調整に使う事で残業の低減などを行っています。

 製品の中には途中までは仕込生産で製造を行いストックし、最終の製品は受注生産で製作する場合もあります。そうする事で量産効果によるコストダウンやリードタイムの短縮が可能になります。

 例)板金+塗装までは共通で製作し倉庫保管、詳細の仕様決定後、電気部品の取付・配線

 しかし、需要予測の見極めが仕込のタイミングが非常に需要になっており、不要在庫を大量に抱えてしまうと、置き場所や仕入れの問題などが発生するため、十分リスクを考慮し数量などを決定する必要があります。

リードタイム

 リードタイムとは製品の受注(生産開始)から完成までの時間を言います。部品を発注してから納品されるまでの調達リードタイムと生産に着手してから生産が完了するまでの時間を生産リードタイムといいます。二つを合わせ、製造リードタイム・リードタイムなどといいますが、人により認識の違いがある事がありますので、管理職はその辺りには十分注意が必要です。

 部材によっては調達に時間を要する物があるので、先行で部材を手配し、在庫保管を行う事でリードタイムの短縮が可能です。調達から生産までの期間を明確にしたリードタイム表などを作成する事で客先への説明が容易になったり、部下への指示もしやすくなります。

生産形態

 製品毎に生産形態を決定します。大きく、ロット生産、個別生産、連続生産の3つに分けられます。

ロット生産

 製品(品種)ごとに、ある程度の数量をまとめて生産する方式です。特に仕込生産では、需要予測に対してまとめて生産する事でコストを抑えたり、共通部品をまとめて製作しておくことで、段取り回数を減らすことが可能です。板金などでは板の取り数を考慮したり、自社にあった数量を決定する事で効率よく製造する事が可能です。

個別生産

 客先の要求仕様合わせ、1回限りの生産を行う生産方式で1番価格が高くなります。1回限りの生産となる為、見積金額は高めに設定し営業は受注をしますが、設計不良や予想外の工数を掛けてしまうと、あっという間に損失となってしまいます。製造業の中小企業では個別案件でしっかりと利益を確保していく事が重要です。管理職は特にコスト意識を持ち、次工程の予算を把握する事が必要です。

連続生産

  同じ製品を続けて生産する方式です。連続生産の代表的な生産方式はライン生産方式でベルトコンベアなどのラインに製品を流しながら生産する方法です。製品によってはベルトコンベアなどのラインを使わず、1人で生産するセル生産方式も採用されています。

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