溶融亜鉛メッキに塗装は大丈夫か?

ビジネススキル

 劣悪な環境に設置する製品には溶融亜鉛メッキ処理を施しますが、景観及び安全対策として、溶融亜鉛メッキ後に塗装を要求されるケースがあります。

メリットは耐食性の強化

 溶融亜鉛メッキの上に塗装を行う事で、2重防食の効果が得られ耐久性が増加します。溶融亜鉛メッキへの塗装は、メッキ面と塗膜の密着が重要になります。

塗装仕様

 屋外に設置する筐体の場合、下塗りにエポキシ樹脂系粉体塗装を行い密着性を確保しながら膜厚を稼ぎます。上塗りはポリウレタン樹脂系の塗料を塗布するのがよいでしょう。よく、ポリウレタン樹脂系の溶剤塗装で100μmの指示をいただく事もありますが、溶剤の吹き付けで対応が厳しく、コスト面でもかなり高額になってしまうため、下塗りに粉体塗装を行うのが総合的に一番良い塗装方法かと思います。

 盤であれば、溶融亜鉛メッキの規格はHDZ35をおすすめします。HDZ45の場合、板厚にもよりますが、板のひずみが大きく、箱形状にするのが非常に困難です・HDZ35でも膜厚は49μmになりますので、溶融亜鉛メッキ49μm + 下塗り+中塗り70μ以上 + 上塗り 30μm =合計膜厚150μ以上を確保する事が出来るため、十分な重耐塩仕様となります。

溶融亜鉛メッキの代わりに、亜鉛溶射を要求される場合がありますが、亜鉛溶射の状態が塗装膜への影響が大きい為、溶融亜鉛メッキを採用する事をおすすめします。

受入検査

 受入検査では膜厚測定と同時に、1次密着の確認としてテストピースを同ロットで作成・碁盤目試験を行い、エビデンスとするのが一般的です。また、塗装後の膜厚測定については溶融亜鉛メッキ膜との合計膜厚の検査になると思いますので、塗膜のみでの検査結果が必要な場合は、溶融亜鉛メッキ後の受入検査時に、亜鉛メッキ膜厚のみの測定をして記録しておくのがよいでしょう。実際、形状によりかなりのムラが出ますので。あらかじめ膜厚測定箇所を明確にする事で塗装後に同じ箇所での膜厚測定が実施される段取りも必要をなります。

 溶融亜鉛メッキについては下記記事の参照をお願いいたします。

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