【塗装工程】表面処理の基礎知識

ビジネススキル

塗装の役割

 塗装に大きく分けて、3つの役割があります。①素材の保護②素材の美観を上げる③特別な機能を持たせる。

素材の保護

 鉄板は塗装をしないと錆が発生し、劣化します。塗装をすることで素材を保護する役割をがります。

美観を上げる

 塗装を行う事で周囲の景観、周囲の構造物と色合いをそろえたり、艶や模様を変える事で美粧性を付与する事も可能です。

特別な機能を持たせる

 抗菌や耐熱、防水など、素地のままではない昨日を付与する事が可能です。

塗装方法

 様々な塗装方法が存在しますが、ここでは一般的な工場板金で使用する、粉体塗装と溶剤塗装について紹介します。

粉体塗装

 粉体塗装は、有害物質を含まない粉末状になった塗料(ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポポリ樹脂、アクリル樹脂で顔料の粒子にコーティングしたもの)を使用し、この粉末状の塗料を静電気で対象物に付着させます。その後、焼き付けることで塗料の樹脂を溶解する塗装方法です

長所

  • 塗装コストが安価→塗料を回収し、再利用できる
  • 塗膜があるので、何度も塗り重ねる必要が少ない
  • 膜厚が厚い
  • 品質が安定する

短所

  • 少量多品種生産に不向き
  • 色替えに時間がかかる
  • 特殊色に対応ができない

溶剤塗装

 溶剤塗装は、塗装の主体として用いられてきた塗装工法です。シンナーなどの有機溶剤に、アクリル塗料、メラミン塗料、ポリエステル塗料、ウレタン塗料などを混ぜて溶かし、被塗物にスプレーで塗布、その後、焼き付けることで塗装する方法です。

長所

  • 塗料の種類が豊富
  • 被塗物に応じた塗装が可能(自然乾燥や焼付乾燥)
  • 粉体塗料との組み合わせも可能
  • 使用量に応じた量のみを作ることができる(小ロット・低コスト)

短所

  • シンナーなどの有機溶剤を使用する
  • 出来栄えが、職人の腕に左右される

塗料の種類と特徴

塗料とは

 塗料の構成は、実際の塗装膜となる、『塗膜成分』と『非塗膜成分』で構成されます。

顔料

 非塗膜成分の溶剤や水に溶けない粉末で、塗料の着色や光沢の調整、物性(硬さ・強さ・付着力)の調整、機能の付与(防さびなど)の役割を果たします。

樹脂

 樹脂とは、塗料の基本成分の1つで、塗料が固まる基になるものです。最も重要な構成成分となっており、塗膜の光沢や耐候性などの基本性能を決定します。

塗料の種類

エポキシ樹脂系塗料

 下塗りや屋内仕様の製品に使用します。

 特徴:耐熱性、耐薬品性、密着性に優れている

 欠点:紫外線に弱い為、屋外仕様の製品には使用不可

チョーキング(白亜化):塗膜の表面が紫外線、雨、風、熱などにより劣化し、 塗料を構成している顔料が粉状になる現状ガードレールなどを触った時に、白い粉が付くのはチョーキングで劣化し粉状になった顔料です

アクリル樹脂系塗料

 屋外使用の製品に使用する

 特徴:費用が安価、耐候性・耐食性に優れている

メラミン樹脂系塗料

 安価で幅広い用途で使用されるが耐候性に弱い為、屋内の製品に使用される。アクリル樹脂系塗料に比べ、成膜時の密着性が劣っている。

ポリエルテル樹脂系塗料

 主に屋外の製品で使用される。

フッ素樹脂系塗料

 工業用の塗料の中で最も耐候性に優れている。耐汚染性能が高い為、屋外盤等では雨だれの防止としての機能もある。

特徴:耐候性、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、撥水性が極めて高い。

欠点:費用が高額となる

グレードとコスト

 上記に記載した塗料の特徴とコストから塗装仕様を決定する必要があります。

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